本日、非常勤講師業の一日でした。
沖縄県立看護大学大学院博士後期課程の「保健看護管理・教育特論Ⅱ」の集中講義です。
昨年度は2月に行い、このブログでも様子を紹介しました。
今年度は、がん看護専攻とと老年看護専攻の学生さんが一人ずつの計2人が受講。ほぼ、さしでのやりとりでした。
「管理者とスタッフとの人間関係とは?」
「管理者のビジョンはどうやって策定されるのか?」
「なぜ、会議をするのか?」
「どうすれば、政策に影響を与えることができるのか?」・・・・
とか、とか、とか。
看護管理専攻の学生からは出ないような、
ふつーの疑問がたくさん講義中に出されて、
私的には、それをいじる(突っ込む)ことで、マネジメントの奥深さ、面白さ、醍醐味が伝わればいいなと思って、その場にいました。
特に、面白かったのは、
スタッフの頃に、師長さんから「コスト削減のために手ふきペーパーの使用量制限」を指示されたという話でした。
「そんなことを言われても、使う物は使うし・・・」と思ったそうです。
経費節約にはどんな意味があるのか。
もしも、節約しなかったら、どうなるのか。
といったことが伝達されずに、
コスト削減ありきのような伝え方だと、
たしかに、スタッフは、”上から降りてきたルール”という型に自分を押し込めざるをえませんね。
今日のやりとりを通して、
学生さんには、マネジメントって、クリエイティブでやりがいのある仕事だということが、伝わったような感触を得ました。
「マネジメントって面白いでしょ」って、私が何度も言うので、
無理矢理、クビを縦に振らしたかもしれませんが・・・。
医療・福祉は労働集約産業なので、人件費率が高い。だから、人件費の削減が重要と考えがちですね。総人件費を落とすのではなく、評価配分を見直すことは必要かもしれません。
忘れてはいけないのは、人件費以外の費用が40~20%程度ある事です。人件費率が80%の訪問系介護事業所でも、見方を変えれば20%のその他費用がある訳で、その他費用を10%縮減すれば、総費用の2%が浮くわけです。
ここに目を向け、ムダを省くことを徹底することの意味は大きいですね。
田島様
いやあ、そのとおりですね。
ただ、現場の看護師としては、
一つの例として、
「なぜ、医師は高い機械を買ってもらえるのに、自分たちのケア用品はすぐには買ってもらえないのか。そのうえ、節約ばかり言われるのか・・・」
という気持ちがあるということです。
その感情は理解したうえで、管理者がどのように節約の意義を説明するかということが、論点の一つでした。
管理的な思考というのは育てることはできますが、育てられていない場合、自分とは無縁のものと思ってしまいます。
だから、管理を身近に感じてもらうことを、私は教育現場ではいつも心がけています。
例えば、医師の出身医局が変わると、手術台まで変更して購入させられるなんてことですね。医師の要求だけを特別扱いする傾向が、看護職に嫌な気分を与えるというのはよくわかります。そうさせないように努力するのが事務長以下管理部門の役割なんですよね。