今日は、群馬県。伊勢崎佐波病院協会看護部長会議の研修会です。
研修会は夕方ということで、美原記念病院の高橋看護部長さんが富岡製糸場に連れて行って下さいました。
ここは、世界遺産。明治時代に日本の製糸技術を世に知らしめた仕組みをガイドさんの解説により理解していきました。
明治5年にできたわけですから、まだ江戸時代の名残があちらこちらに残っています。それでも、日曜日を休みとし、夏休み制度も取り入れました。職工の体調がすぐれなければ、無料で診察してくれる診療所も設営されていました。能力があり、成果の出せる職工は賃金が上がっていきました。今日につながる制度のハシリです。
そんな話を聞きながら、昭和62年まで続いた工場の歴史に思いをはせました。
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夕方からの講演には、会場めいっぱいの136名が参加下さいました。これ以上は入れないので、参加希望者もお断りせざるを得ない状況があったのだとうかがいました。ありがたい事です。
伊勢崎佐波病院協会看護部長会議は、設置主体も病院機能も異なる11の病院からなる看護部長たちのネットワークの場です。
聞くところによると、この地域の次期リーダーを病院の垣根を超えて育てているとのこと。相互実習をしたり、認定看護管理者の資格を持った部長さんたちが、交代で、講師役を務めているらしいです。自院のことだけではない、地域全体を考えての取り組み、とてもユニークであり意義深いと思いました。
研修会後の懇親会では、互いに好きなことを言い合い、情報交換をし合い、後腐れなく笑ってエネルギーチャージをしている様子が伺えました。こういう場だからこそ言える事もあります。私も一緒になって話し、笑い、たくさんのエネルギーをいただきました。
看護師教育を「看護学部」でなく、看護部に任せること。
100年の臨床の積み上げを、しっかり言語化して次の世代に伝えること。
「聖路加モデル」=「海外の看護師を崇め、奉って、それを知識として振り回すことが看護学と考えるモデル」これ止めないと。
「東大モデル」=「実践科学とは経験の蒸留物であるのに、実践を無視して未消化の科学的方法を振り回すことが看護学と考える非科学的モデル」これも止めないと。
そのために実務と教育が解離してしまっている。それで卒業生が臨床場面に入っていけない。
四半世紀前の経験しか無い教授様が、「病院に看護を教えてやる」とのたまう。
教員自身が、基礎論から科学方法論を学習していないから、間違ったデータ処理を平気でする。
病院の実務のレベルに合わせて、看護教育も高度化しないとにっちもさっちもゆかない。
その臨床現場の看護や管理を「言語化」するお手伝いができたらいいなと、いつも思っています。