第10回日本看護倫理学会年次大会の交流集会。
管理者の倫理に関して興味を持つ4人の研究者に声をかけてもらい、
私も企画者として参加しました。
100名を超す参加者がいたようです。
村井孝子さんと佐野敬子さんの二人が、まず自分たちの研究結果を5分程度で発表。
二人に共通するのは、
管理者の倫理課題には、スタッフが抱える倫理課題と同様のもの+管理者特有の倫理課題 があるということです。
後者の例は、人的資源が不足している、サービス残業をさせてしまっている といったことです。
二人の発表を受けて、私がフロアーに投げかけたのは、
「管理者特有の倫理課題というけれど、日々起きている管理上の問題だ。
これまで、このような問題を”倫理の問題”と捉えてきたか。それはなぜか」
「スタッフは、管理者の倫理課題をどんなふうに見ているのだろうか」
でした。
フロアーからは、積極的に手があがり、
・スタッフ数が十分ではないのなら、自分が我慢して働くしかないと思っていた。でも、倫理的な問題だと認識する考え方もあるのだとわかった
・忙しいと、スタッフの代わりに管理者が現場に出ることがある。それを申し訳ないと思うので、スタッフは昼食を抜いて働くこともある。患者に向き合うときにだけ倫理問題があるのではなく、こういうことにも、倫理的な問題があるとわかった・
・管理上の倫理問題は、管理者だけではなく、スタッフも一緒に考えられる問題。そのためには、管理者とスタッフが互いにケアし合う関係性であることが大事。
・スタッフは、管理者は全然動いてくれないと思いがちだけれど、管理者はすごく頑張っている。そのことをもっとオープンにしていってもいいのではないか。
といった意見が出ました。
私としては、
管理者の倫理課題についての関心が高まり、広くディスカッションできることを期待していたので、
参加者の熱心で積極的な参加ぶりは、たいへん嬉しいものでした。
今日は本当にありがとうございました。次々と椅子が埋まって行くのを見て、参加者の関心の高さを実感しました。グループワークも、開始後すぐに活発に話しあわれ、初めて会った人同士とは思えない感じでしたし、発表も、指名するまでもなく挙手があり、参加者の「思い」の熱さを改めて感じました。
話をしてよい「場」があることが管理者にとって必要なのだと感じ、地元でも何かできないか考えていきたいと思います。
前田朝子様
みなさんの企画が、参加者の心を捉えたのかもしれませんね。
アンケート結果を楽しみにしております。
事故と看護倫理
倫理について
ご存じのように、看護行為の多くが倫理的判断のもとで行っています。わかりやすいところでは抑制をする事と抑制しないことのいわゆるジレンマなのですが、この倫理的判断にしても個人の倫理観によって異なる行為をすることがあったりしますし、(現在は抑制禁止ですが) また、時代によっては倫理的問題も変化していくものだと思います。最近においてはインフォームドコンセント、QOLなど権利概念も変わりつつありそのあたりからも倫理的概念は変化していくものだと思います。 また倫理上の答えを出していかなければ行けないと思いがちですが、極端な場合を除きなかなか答えは出しにくいもののようです。そのためにもいろいろな事例を集めて検討していくことが必要なのだと思います。 行動の条理として倫理的な問題は、それぞれの判断に対して、たくさんの様々な事例を検討して倫理的感性を磨いていく事が望ましく、倫理的に全てのことが正しいということは難しいと思います。
しかし、通常の倫理的な問題と異なり看護側のミスなどよる看護事故が生じた場合などは、明白な倫理問題となるのではないかと思います。倫理観の低さが事故 を招き、事故が生じてからの倫理的な対応も必要であり、また倫理観が低いと危険が予測ではないこともあると思います。ここでは、看護事故に関係する倫理に ついて述べてみます。 以下略