日本看護倫理学会第14回年次大会。
初日(5月29日)の交流集会のほとんどは、COVID-19にまつわることだった。
●感染防護服を着ていても、
なおつきまとう理不尽さ、やるせなさ、不安。
やるべき看護があるのに、それができない。
●どの患者なら受け入れ可能かを決めるためのプロトコールは、
院内倫理委員会で作ったものの、
同じ状態の患者が二人いたら・・・ベッドが一つしかなかったとき、どちらを選ぶのか。最後は誰が決めるのか
●患者にインタビューをしたり、観察をさせてもらってとっていた研究データ。
患者に接することができなくなった今、研究者としてどのようなアプローチをすれば、患者の尊厳を傷つけずになすべき研究ができるのだろうか。
このような生の声が、
医療現場から、教育現場からたくさん聞こえてきた。
毎日たいへんだから、今日すべきことに必死で追いつこうとする現場。
それが日常だからこそ、
数ヶ月前に比べて、
①対応が可能になったことは何か
それはなぜ可能になったのか
②まだ課題として残っていることは何か
どのような資源やネットワークを使えばよいのか
どこに発信すればよいのか・・・など
③新たに増えた課題は何か
なぜそれが生じたのか
何があれば、どうなれば解決できそうなのか
その見通しはどれくらいか・・・など
を考えて、誰にでもわかるように言語化しておく必要があると思う。
そして、交流集会6で話されていたように、
ある施設でうまくいった事例や解決策は、
他の施設、地域などに「ナレッジ」として伝播させていかないといけない。
どうしても、個人情報保護の観点や、施設の評判などを考慮するせいか、
「ナレッジ」は公にされない傾向がある>
これはなんとかしたい。
人間よりウイルスの方が賢い!とならないように、
知恵や経験を共有して、みんなで乗り切りたい。
学会は、そういうことを感じ、実践する力をもらえる場。
聴いて学ぶだけでなく、明日から実行する。
現場で待っている人がいる。
何もしないことによる倫理問題を突きつけられた。