ダナ・ベス・ワインバーグ(著)、勝原裕美子(訳)日本看護協会出版会 2004年
最初に原著を読み終えたとき、1998年にこの目で見てきた米国医療の課題がいよいよ明らかになったと思った。
本書の舞台は、マサチューセッツ州ボストン。
医療や看護の質が抜きんでて高いことで有名なベス・イスラエル病院が、すぐ目前にあるニューイングランド・ディーコネス病院と合併することになった。
当時、ハーバード大学の博士課程の学生だった著者が、その合併劇をエスノグラフィーやインタビュー等の手法を使ってつぶさに記録した。合併は、病院から生み出される利益だけを重視した保険会社やビジネスマンたちが主導。そこには、医療者の倫理観や患者のQOL(生命の質、生活の質)は二の次の経営があった。
本書が出て数年経ち、日本でも病院が経営不振でつぶれたり、合併したりが目に付くようになった。今は、それが当たり前になってきている。今こそ、あらためて本書のような本が読まれてほしいと思う。
コード・グリーン読んだ事あります。訳 勝原さんだったのですね。あれだけ見本のように言われてたベス・イスラエル病院がねえ。
お読みになってくださっていたのですね。
病院の統廃合、収益、組織文化、リーダーシップなど、いろいろなことを教えられる本だと思い、夢中で訳したのを覚えています。