一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査によると、
平成28年訪問看護ステーション数は9070。
昨年から、約800カ所増えたことになります。
その一方で、病院の数は約8500ですから、
とうとう訪問看護ステーションが病院を追い抜いたことになります。
8500<9070
遅まきながらこの数を知って、とても感慨深いものがありました。
それは、故高橋美智さんが、認定看護管理者教育の立ち上げに尽力されていたときに、必ず受講生には、「認定看護管理者を1800人にする」と言い続けていらしたからです。
実は、1800の根拠は、当時の病院数9000と訪問看護事業所として目指すべき約9000です。
ステーションの数が2700くらいの時の話です。
今や、病院も訪問看護事業所もほぼその数になりました。
しかしながら認定看護管理者数(登録者)は、2900人にも満たって
いません。
最近、訪問看護や在宅ホスピスに携わる人たちの話を聞いていて感じるのは、「管理者になるための教育を受けることの必要性」です。
かつての病院でも、見よう見まねで伝達されながら管理のコツが受け継がれてきた時代がありました。今は、多くの訪問看護事業所が「管理(マネジメント)」できる人の養成ニーズを持ちながらも着手できていない実態があるようです。
もちろんいくつかの研修プログラムは存在しますが、
なかなかそこに出かけることができない人や送り出せない事業所が多いと聞きます。
高橋美智さんの描いていた1800人。
本当に、すべての病院と訪問看護事業所に認定看護管理者がいれば、
看護はもっと躍動するように思うのです。
サードの課程を学ぶことが、一番効果的なのかは、わからないのですが、組織というもの、マネジメントというものを学ぶ必要は、感じています。時間を捻出するのは小さな事業所では難しく、日看協の管理者研修は、はじめの第一歩として、参加しやすかったです。過去の自分を含め、訪問看護事業所の管理者は訪問業務に追われている。スタッフもそれを期待してる。マネジメントする役割を理解してないのは、管理者自身だけど。よって法人や経営者に理解をしてもらうのも難しく、まして次世代のマネージャー育成のために、サードに出すなんて、これっぽちも考えないだろうなあ。
なるほど。本人の自覚もさることながら、組織がその必要性を認めて後押しする必要があるということですね。