東京都新宿区にある暮らしの保健室。
秋山正子さんがこの地にご縁を得て開設しました。NPO法人白十字在宅ボランティアの会が運営し、地域の方々の暮らし、健康、医療、介護の相談を受ける場として知られています。
今日は、暮らしの保健室の第80回目の勉強会の日。
知人の紹介で参加しました。
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事例は、Sさんという方の弱まる体力や気力を10年(以上)にわたり支え続けた多くの職種と家族のこと。
Sさんの物語でもあり、Sさんの家族の物語でもあり・・・そこに多くの人たちが関わった必然の物語として聞きました。
Sさんの生命と生活。その危機のたびに、家族は悩み、支える人たちも悩み、そのときどきの最善を考えた様子が検討されました。実際に関わった方々も勉強会に参加されていて当時の状況が明かされました。そのため、参加者として聞いている私にも、その時々の状況や情景がよりビビッドに想像でき、自分がその時にいたらどうしたらどうか?と考えさせられました。
長い事例でしたが、秋山さんは、時々のポイントを明示し、そこにおけるケアチームの関わりの意味を深めてくれました。関わった人びとすべてをリスペクトして、それぞれが、事例の当事者にとってなくてはならない”必然的”にいるべき人だったことを確認させてくれたのです。今日の事例のタイトルには、「共鳴」という言葉が入っていました。ケアを受ける人とケアを提供する人という対称構造ではない、人と人、人と地域、人と社会とがつながるような共鳴・・・そのとおりだと思いました。
関わった人たちにとってはリフレクション(内省)を深める素晴らしい機会だったと思われます。そして、それ以外の人たちにも、ケアの温かさやケアがつながることの豊かさを再認識できた勉強会だったのではないかと思いました。