7月11日、12日の2日間、
岩手県看護協会で、組織倫理・管理者倫理の研修を合計12時間行いました。
パワーポイントは使用せず、ひたすら拙著『組織で生きる: 管理と倫理のはざまで』(医学書院)を行間まで読み尽くすという方法で進めました。
私が少し話しては、研修生が自分に引き寄せて考えてもらう時間をとり、グループワークで自分の感情や考えを述べるということの繰り返し。
・できていないように思っていたけれど、自分はちゃんと意思決定していることに気づいた。
・出来事の結果に左右されて、倫理的思考のプロセスを吟味してこなかった。
・自分が悪いと思い込み過ぎていたことがわかった。
などの声が上がりました。
「倫理的に何か変だなあと」思う感覚を掘り下げていくことで、
自分が知らず知らずのうちにしまい込んでいた価値観や、当たり前すぎて言語化ができなくなっている価値観に気が付く瞬間があります。
そのとき、スーっと楽になります。
無理していたことや、本当に大事にしていることに気づく瞬間だからです。
10年前の出来ごとことや、もう病院としては決着がついたはずのことであっても、管理者の胸にはモヤモヤした感情が残っています。
それが、スーっと引いていくのです。
感情と共に、涙も流れる場合もあるし、笑顔が戻る場合もあります。
今回の研修でも、そんな場面をたくさんみました。
そして、
普段から、頑張ることが当たり前の管理者だからこそ、
あれもできていない、これもできていないと思いがちです。
だから、
「よく頑張っている」と自分で自分を認めることも大切。
そんなメッセージも残してきました。
12時間あると、たっぷり研修ができます。
手ごたえがあり、私自身の学びが深まった研修になりました。
すばらしい機会をありがとうございました。