朝原宜治さんの講演

投稿者: | 2019年7月9日

2週間ほど前のことですが、
北京オリンピック陸上男子4x100mリレーのメダリスト、朝原宣治さんの講演を聴きに行きました。

とても気さくな感じの方で、
笑いをとる部分と真剣な部分のバランスが絶妙なトークでした。

一番前のど真ん中に陣取った私。
その時のメモから、すごく響いた言葉をいくつか書いておきます。
すごく感動したので。

●ジャマイカが強いのは、足が長いからとか体力があるからとかではない。当たり前に、オリンピックの陸上短距離でメダルをとるという文化があるから。だから勝つ。
●バトンをつなぐというのは、信頼関係の構築と同じ。北京オリンピックでは、直前のウオーミングアップで、第三走者の高平さんから自分へのバトンミスがあった。でも、やり直すだけの体力がない。どうしようかと思ったときに、高平さんが「このまま本番行きましょう」と言ってくれた。そして、本番は、最高の「心のバトンパス」になった。それは、それまでの苦楽を共にしてきた信頼関係に他ならない。

●北京では銅メダルをとった。ところが、先日ジャマイカチームの選手のドーピング検査が陽性になり、繰り上がって銀メダルになった。10年経っての繰り上げというのはこの間に検査技術が発達することを見越してのこと。自分たちは、10年間メダリストとして扱われてきたから、銀になったのは嬉しいがメダルには変りない。代わりに銅メダルになったのはブラジルチーム。4位から3位になったと110年後に言われてどんな気もちだろうか。この10年間の過ごし方は、4位と3位では、全然違う。人生も変わってしまっているかもしれない。

●100m走。スタート地点に立ったときには、もう他にすることはない。ただ走るだけ。だから、結果はすでに決まっている。あとは走るだけ。 ●骨折したとき、自尊心が低下した。でも、背負っているもの(記録、名誉、メディア・・・)を一旦下ろし自分を見つめなおした。そしたら、なぜ走りたいかがよみがえった。「風を切って走っている自分が気持ちいい」

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