「下手くそやけど何とか生きてるねん:薬物・アルコール依存症からのリカバリー」

投稿者: | 2019年12月10日

著者の渡辺洋次郎さんとはお会いしたことはないのだけれど、

Facebookのお友達で、私の投稿によくコメントをくださる。
そのご縁で本書をお届けくださった。

そして、
この2週間で、3回読んだ。

1回目は一気に読み通し、
2回目はマーカーを使いながらじっくり読み
3回目にもう一度すべてに目を通した。

なんか、簡単に感想を書くのが失礼なように思えたから。

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子どもの頃に潜在意識っていうのがどれほどあったのかはわからないけれど、今、この本を読むと、
誰もが子どもの頃にもっていた“潜在的におかしいと感じていたこと”とか、“理性で半強制的に理解しようとしていたこと”が、こういうことだったのかもしれないと思いあたる。

多くの人は、たまたまその理性が違和感に打ち勝ち、
家族とはこういうものだとか、思春期とはこう過ごすものだとか、大人になるならそうするのが当然だと、社会が定めた空気に溶け込むかのごとく歳を重ねる。

でも、著者はそうはならなかった。

その社会の空気を吸うことのほうが息苦しく、生きづらく、そうすることを選べなかった。
そのしんどいプロセスがむき出しになった文章は、胸にささる。

やがて、幾年もの歳月を経て、自分の人生を引き受けて生きることを彼は選ぶ。

周囲や社会を責め、たくさんの謎解きの答えをその社会に求めていた自分から、弱くてもしんどくてもそんな自分の中に生きる可能性がたくさんあることを知って、自分を大切に思える人間になっていく過程。
その混じりけのない純粋な文章は、彼自身のリカバリーの記録でもある。
それと同時に、読者である私も、知らず知らずのうちに置き去りにしてしまった私自身のリカバリーが必要なのではないかと考えさせられる。

1回目は、叫び声に聞こえた文章が、2回目には解毒剤のように効いてきた。
3回目は、自分の心の声と対話する相手となっている。

令和元年の年末。
こんな素敵な本に出会えて嬉しい。

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