看護実践力を可視化するお手伝い

投稿者: | 2020年7月16日

大阪市西成区にある思温病院に、定期的に支援に行かせていただいています。

今日は、看護部教育委員会で、
クリニカルラダーのたたき台をつくるためのファシリテーションをしました。

まずは、看護部長から聞き取った「どんな人を育てたいと思っているのか」という熱い思いや教育方針などを全体で確認。
その後、自分たちが大事にしている看護実践能力について話し合う場にしました。

といっても、突然出てくるわけではなく、

●普段何を大事に看護しているの?
●どんな看護ができれば、患者さんに幸せを届けられる?
●こんな看護ができて、心から良かったと思えるのはどんな時?

など、委員の人たちが、普段当たり前にやっている看護を聞き取ってきます。

当たり前すぎて、出てくる言葉は抽象的。
たとえば、

「いろんな背景の患者さんがいるけれど、ちゃんとコミュニケーションがとれたとき・・・」とかになります。

それでもう一押し。
●この病院で特有のコミュニケーション力って?
と聞くと、

「いろいろな背景の人がいるけれど、自分の大切な人だったらどうしてほしいかを想像して関わる力」

と具体的なっていきます。

●相手の気持ちに寄り添うだけでいいの?
●看護師は想像して関わっても、他の職種と意見が違うとき、何ができていたら能力を発揮できたと言えるの?

などとさらにつっこみます。

そうすると、
一人一人のメンバーが、自分たちが当たり前に展開している看護、普通に実践しているからいちいち言語化していない思考などについて、
単語レベルで話し出します。

「その時の最善」「あきらめない」「可能性」「橋渡し」「治療」「情報」・・・

それをホワイトボードに書き留めていき、つなげていきます。

私は、自分の意見はほとんど言いません。

彼女たちの中にある力をただただ信じ、
各人が、自分たちの看護にアクセスするのを待ちます。
そして、出てきた言葉をつなぐだけ。
これを60分間繰り返すのです。

まだ文章として未完なので、ここには書けませんが、
聞いていると、

本当に患者さんを大切にしていて、看護が好きで、
素晴らしい看護を展開していることがわかります。

委員会の最後には、一人ずつ感想を言ってもらいました。

・クリニカルラダーの資料を読むだけではなくて、自分たちで考えることで、自分たちに合ったラダーになるように思う
・普段の業務でも、忙がしい!で終わらず、たとえ数分でもこういうふうに考えれば看護がみえる
・以前の病院ではできあがったラダーを使うだけだったけど、ラダーを作るところから関われて楽しい
・最初はどう意見を言ったらよいかわからなかったけど、みんなが意見をいうのを聞いていたら、胸の中から何かがわいてきて、自分も言いたいという気持ちになった。すごく刺激を受けた。

なんだか、委員のメンバーに流れる看護の力、場に流れるエネルギーを感じ、
一緒にいさせていただくことに、感激した時間でした。

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