完全オンラインでの学会参加

投稿者: | 2020年8月30日

8月28,29の両日、第24回日本看護管理学会学術集会が開催されました。
オンラインのメリットはあります(寝転がって聴けるとか、事前録画の講演等は何度も聴けるとか・・・)!

でも、インフォメーションエクスチェンジ(交流集会)といいながら、
ほとんど演者の一方通行の話で、ディスカッションができないという致命的な問題も感じます。

ただ、今回は急遽決まったオンライン開催。
準備はたいへんだったと思います。
開催のご決断ありがとうございます。

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最初に聴いたのは、
川嶋みどりさんの、看護管理に対する愛情のこもった辛口の講演。
 ・看護師が看護管理者であるからには、看護の技術水準の向上にもっと目を向けるべき
 ・看護管理者である前に、看護師であることを忘れてはいけない
 ・医療が高度になればなるほど、COVID19のような感染症が起きれば起きるほど、看護のなすべきことは明確なはずだ
などの強烈なメッセージでした。

ともすれば、診療報酬や医療安全ありきで物事を考えがちになります。
原点から何も変わっていない看護の価値を改めて考えないといけないと、
これは居ずまいを正して聴きました。

ランチョンセミナーでは、
卯野木健さんの超急性期病院でなぜ身体拘束をやめられないのかという講演を聴きました。

いくつものエビデンスを伴ったデータを示してもらいながらの話だったので、
とても説得力がありました。

  ・ICUに配置する人数は、身体拘束率と関係しない
  ・「インシデントレポートを早く書きなさい」などの責める文化がある部署
   では、身体拘束率が高いと言えそうだ
といったデータは、もっともっとアピールされるべきだと思いました。

驚愕したのは、患者さんが人工呼吸器の抜管時に自分で吸引しているシーン。
国内の映像ではなかそうでしたが、痛みのコントロールがきちんとできていれば、こんなこともできるのだと本当に驚きました。

学会で発表することや情報を仕入れるだけなら、これ(オンライン)で十分。
ただ、久しぶりに研究者仲間、同級生、教え子などと会って近況を聞くとか、演者と直接対話して深く考察するなど、
これまでの学会で当たり前に思っていた参加のメリットがないことを
どう考えるか。

学術集会のあり方だけではなく、知的コミュニティの作り方・発展の仕方については、まだまだ課題が残るなあと思いました。(初日の感想)

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