コロナが5類に移行して、ちょうど1年が経ちます。
コロナの猛威は世界中を脅かしましたが、今はコロナウイルスはなくならないことを前提に、生活が営まれています。
医療機関では、いまだに感染力をあなどれないコロナウイルス感染を予防するために、面会制限が続いています。
しかし、患者や家族にとっては、コロナ以前のように面会ができないことは、寂しく不安が募ることにつながっています。
私たちは、面会制限ということにどう向き合えばよいのでしょうか。
一人一人意見は違うと思いますので、
まずは、全国の病院の実態調査をしてみました。
その結果を載せますので、ご覧ください。
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【速報! 2024年4月時点における全国医療機関における面会制限の実態調査】 2024年5月6日
オフィスKATSUHARAでは、2024年4月1日~14日の期間において、全国の医療機関における面会制限の実態調査を実施しました。
●背景
Covid-19(以下コロナ)感染症を予防する観点から、医療機関における面会制限が実施されるようになりました。コロナが未知のもので、それを防ぐ手立てがまったくわからなかった当初から、次第にマスクや防護服などの普及、人びとのコロナに関する知識の共有は進みました。しかし、制限を緩和する声はほとんど聞かれませんでした。
2023年5月8日からは、コロナは2類相当から5類感染症に移行となりました。厚生労働省のHPには、「法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとした対応に変わります。」とあります。これを境に、コロナウイルスはなくならないけれども、人びとの暮らしの中に共にあるものとして扱うようになりました。
しかしながら、医療機関においては、いまだ面会を一切許可していないところや、15分制限を継続して掲げているところなどがあります。病気で入院中の患者に家族ですら面会できない中、不安を募らせている声を耳にします。また、面会制限の大きな病院には入院したくないという患者の声もあります。
医療機関においては、無防備に面会を受け入れて、クラスターを発生させるなどの状況が起きることは回避しなければなりません。そのため、今の面会制限の根拠がどこにあるのかを、医療関係者に会うごとに問いましたが、明確な答えは返ってきません。
いつになったら、あるいはどういう条件が整えば、患者と家族はコロナ前のような面会が叶うのでしょうか。面会を「制限」していることについて、医療関係者はどのような考えをもっているのでしょうか。制限緩和に向けた定期的な話し合いはなされているのでしょうか。
私は看護師と保健師の資格を持ち、医療に従事する人たちの支援をしています。日本中でいろんな人たちに会い、話を聞いてきましたが、彼(女)たちの中には、面会制限をつらいと感じている人たちもいる一方で、中にはこのまま制限管理を続けてくれていた方が楽だという人もいました。
一体、医療機関にとって面会というのは何なのでしょうか。そして、面会を制限するということの本質は何なのかを探ってみようと思いました。ただし、研究倫理審査委員会を通さないといけないといった類の調査では時間がかかります。そのため、まずは各医療機関がホームページ上でオープンにしている情報にアクセスして、面会制限の概要を把握することから始めようと思いました。
●方法
2024年4月1日~14日までの14日間に、全国の医療機関のホームぺージにランダムにアクセスし、面会制限に関する情報を得て、Google Formに入力し、集計しました。
入力にあたっては、本調査に賛同してくれる人を募り、協力を得て行いました。
●結果
結果は、あくまでも速報値です。今後、精査する中で、若干の数値が変わる可能性があります。
1.回答数
285の回答が寄せられたが、重複している回答が21あったため、264が有効回答である。
2.属性
1)都道府県数 30
2)病床規模 199床以下が55病院、200~399床が90病院 400床以上が119病院
3.面会制限
1)面会制限の有無
3時間以上の面会時間があり、特に制限が見当たらない病院 31病院
一切の面会が禁止されている病院 13病院
何らかの面会制限があるが面会可能な病院 220病院
2)時間の制限
15分以内の制限と60分以内の制限を合わせると、約86パーセントであった。
3)面会者、面会人数の制限
面会一回あたりの人数制限を設けている病院が85%程度を占めており、家族や同居者のみの制限や、子どもは不可の制限もそれぞれ約50%程度であった。
中には、「一日に1回、家族のみ2人まで」などの何重かの制限が同時にかかっていう記載も散見された。
3)場所の制限
場所の制限は、「個室の場合は個室で、それ以外はデイルームで」などの具体的な表記が見られた。また、緩和ケア病棟のみ面会可能、ICUは要相談など、病棟の特徴による面会制限の違いも見られた。
お問い合わせは、オフィスKATSUHARA
勝原裕美子まで
office.katsuhara@gmail.com
患者、家族の立場からの思いです。
一年前、コロナ禍のなか、長年がん治療をしてきた夫が病院でなくなりました。その時の思いから~。
ケモ治療で入院予定だった日に自宅で呼吸困難になり、救急搬送されましたが、車中で心肺停止。蘇生はしたが意識なく、約二週間後なくなりました、
その間、面会ができたのは特別に配慮していただき一回のみ。予測していた看取りとはならず、空しさだけが残りました。
患者、家族ともに、コロナは陰性でも病棟まで行っても病室には入れず❗病棟で待機しておくこともかなわず。
悲しいのは看護師の対応も事務的処理だけで、家族の思いには遠く、声かけもなかったことでしょうか~。
今はすこし緩和されているのでしょうが、回復見込みのない患者、家族への配慮は現場職員には今一度考えて欲しいとおもったものです。
愚痴のようなコメントになり、失礼しました。
臼杵様
お辛い思いをされましたね。
一年前といえば、ちょうど5類になるかならないかの頃でしょうか。
大切な人との最期をどう一緒に過ごせたのかは、後々まで残る大事だと、
あらためて考えさせられます。
この記事を見て、こちらにコメントできず直接忸怩たる思いを送ってくださっている方もいます。
きっと多くの方が、同様の思いをされているのだと思います。
エビデンスに基づく看護って、一体何なのでしょうね。
私も一緒に考えます。
コメントくださり、ありがとうございます。