封印していたマグネット・ジャーニーを開封した

投稿者: | 2019年9月14日

聖隷浜松病院の看護部長時代、看護の質を最高レベルに持っていくために、本気で米国のマグネット施設認定を取ることにチャレンジしていました。

しかし、諸般の事情で取得を目指すことができなくなり、トップマネジャーとしてここまで引っ張ってきた責任の重さをどう処理していいかわかりませんでした。その後、退職したこともあり、自分の中では、マグネット取得に挑戦していた日々は封印していました。

マグネット施設認定を目指した経験を踏まえて、魅力ある組織づくりについてプレゼンをしてほしいという依頼を聖路加看護学会から受けたのは、今年の初旬だったと思います。

私は当然のように固辞しました。取得に至らなかったわけだし、もう一人のプレゼンテーターは、まさに今、マグネット施設認定を目指している聖路加国際病院の看護部長。私の出番などあるはずがないのです。

それでも、何度かやりとりするうちに、「まあ、いいか」とコンフォートゾーンを超える気になりました。魔がさしたという方が言い当ててるかもしれません。

先週、マグネットを目指していた時のプロセス(マグネット・ジャーニー)を、5年ぶりにたどりました。意外にしっかり読むことができました。

そして今日のプレゼン。パワーポイントは用意していましたが、会場に入った途端、使ったら言葉に魂が宿らないような気がして、それは使わず、マグネットは一体なんだったのかを語りました。

誰もが、いい看護をしたいと思って看護師をしている。だけど、現場では、できない言い訳をせざるを得ない。例えば、人が足りない、他の職種がやればいいことをやっている、診療報酬で決められている、時間内に業務を終わらせないといけない…って。

私は思うんです。

そんな中で、マグネットは、本当に看護師たちが求めているものを求めさせてくれるツールなんだと。看護師の根底に流れる看護の本質を、個人のものとしてだけでなく、全体の中で貫かせるものなのだと。そこには、言い訳を許さない厳しい審査がある。

だから、本気で目指した。

いま、聖路加国際病院が、取得間近。ああ! 本当に、心から取得してほしい。だって、本当に日本の看護は素晴らしいのですから。そじて、そこから看護の地殻変動が生まれてほしい。私たちには、まだまだこの社会で担うことがあるのだから。

母校。聖路加看護大。
移動中、国際線以外では滅多にお酒は飲まない。
が、
今宵は、自分を解放できた祝い酒さ。


封印していたマグネット・ジャーニーを開封した」への2件のフィードバック

  1. 池亀俊美

    自分が取り組んできたこと、そこにかけた思い、エネルギー、そこで出会った人、場面、すべてがこれからにつながるんですね☺️
    それをシェアできた空間をのがして、残念でした。
    私も自分の取り組みを振り返る力、エネルギーを、持ちたいと思いました。
    そして、誰もが良い看護をしたいと思っている、良いフレーズですね。

    返信
    1. katsuhara 投稿作成者

      池亀様
      またシェアする機会を持ちますね。

      返信

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