日頃のモヤ?をそのままにしないための良質な問づくりワーク

投稿者: | 2019年11月6日

顧問先の上尾中央総合病院で、クリニカルラダーⅣの倫理研修をしました。

対象は、すでに倫理については一通り学んできたベテラン看護師。
チームリーダーとして(←ここがポイント)倫理問題をどう扱うか。
それを学ぶのが、今回の研修の狙いでした。

通り一遍の研修にならないように、
研修担当者と何度も打ち合わせを重ね、どうしようかなあと随分考えたました。

それで思いついたのが、
先日、同病院の新人研修で「よい看護」「よくない看護」について話合ってもらったときの意見を題材にすることです。もちろん、部署や個人名は特定されないように十分留意しました。

①まず、新人職員から出た「よいと看護」と、自分たちが思う「よい看護」についてのディスカッション。
 たとえば、こんな意見が出ました。これらを深掘りするだけでも気づきがたくさんあります。
 ・新人は、態度や丁寧さなどのあり方に関する気づき多いが、自分たち
  は、技術や知識を適切に使えたとかどうかを良し悪しの判断にしている
 ・新人が「よい」と思っていることは、自分たちには当たり前のこと。
 
②次に、新人職員から出た「よくない看護」が書かれたカードを一枚ずつ読み、もし新人から直接この言葉を聞いたら、どのように返答するかを考えるというグループワークをしました。
 そのときの注意点は、その看護の原因追及をしたり問題解決思考にならないということです。あくまでも、どのような「問」を投げかければ、新人の倫理的感受性を大事にしながらチームや職場全体ごとして考えられるか、そこが大事な視点です。
 通常、原因を探ったり、問題解決を諮ることに慣れているナース達ですので、倫理的な思考を深めるための問作りには、いささか戸惑ったようでしたが、なかなか考え抜かれた「問」が出されていきました。

③ここで、グループ編成を変えました。そして、新しいグループにて、②で立てた問について実際に答えてみるというシミュレーションをしました。それによって、どんな問だと思考が深まるか、どう問われれば自分事として向き合うことができるかなどを考えてもらいました。

 ・原因追及ではなく、倫理的な思考を深める問いを投げかけることでみんなが
  一緒に考えられる
 ・誰にとっての問題なのかを中心にした問いにすると、同じ目線になれた
 ・こういう問を発するだけで、職場の雰囲気が変わると思う

などの意見が聞けたので、研修の目的も達成できた感じです。

 2時間という決められた時間内の研修ですが、実は、デザインとしてはかなり高度なことを求めるものとなっています。

 新人のモヤモヤを取り上げる瞬間は、その場に共に身を置く者として現場感覚を共有します。しかし、チームとしての倫理的思考が深まるような問を考えるときは、現場レベルを俯瞰する力が必要です。そして、その問いに答えるディスカッションをする際には再び現場レベルに戻りますが、そのディスカッション自体がどうだったかを考えるときは、そこを俯瞰することになります。

 というように、ファシリテーションをしながら、研修生たちをあっちに引っ張り、こっちに引き戻したりしているのです。
 大事なのは、最後は自分たちでそれらを統合させること。

 私はそのお手伝いをしています。

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