『キリン解剖記』郡司芽久、ナツメ社、2019
無類のキリン好きだと称してきたけれども、
私よりはるかにキリンを愛している人がいた。
キリン好きを職業に出来る幸せが、にじみ出ている。
この本を読んで、キリンが献体されるということ(他の動物もだけど)、解剖学的なこと、それにまつわる人びとの動きなどがよくわかった。
それは、筆者が、少しでもキリンのことを多くの人に知ってもらいたいと願い、
エッセイのようなパートと、研究論文の解説のパートなどをうまく使い分けて平易に表現してくれているからだと思う。
一ページに何度も「キリン」という言葉が出てくるだけで、私は興奮しながら一気読み。
筆者の手で解剖されたキリンの中には、
私が通っていた王子動物園や浜松市動物園のキリンたちもいるから、
ああ、どこかで骨格が残っているんだなと思うと、ほんと嬉しい。
そして、博士論文を執筆するまでに、リサーチクエッションを立てるのに苦労したことや、ここ一番の時に、向こうからデータ(献体)がやってくる神がかりなことも、私自身が執筆していた当時のことを彷彿させるものがあった。
かつて研究者と呼ばれていたときの研究の醍醐味がよみがえった。
最後の、「3つの無」の話もいい。
無目的、無制限、無計画。
ただただ、解剖するのは、なんの役に立つのかの答えは、ずっと先、100年後くらいにしかわからないから。ひたすら実直に向き合う。
やりたいからやるでいいじゃないと、子どもの頃に思っていたことそのままだ。
いろんな意味で、出会えて嬉しい本だなあ。
前略
コロナ感染で世界中が大変なことになっています。
今も、第一線でコロナの患者さんたちに看護を提供している皆様に感謝しています。
私は、ベッドサイドで働く看護師ではありませんが、コロナの影響で倫理的ジレンマを感じることがあり、コメントを書いています。
ます、1件目は、4月の新人看護師さんのオリエンテーションを開始するかいなかでした。
2件目は、病院見学会、採用試験を行うかどうか。です。
集会を控えろ、緊急事態宣言、不要不急の外出を控えるといわれているのに、政府のいうことを聞かないといけないのでは
ないか。いや、これは、不要ではない。この状態は、数ヶ月続く等の情報もあります。研修はしないと、採用試験はおこなわないとと学生さんたちは不安ではないかと思います。
今、多くの人が倫理的ジレンマを感じながら働いていると思います。
感染の認定看護師さんたち、看護部長さん・・・ 私の何十倍重い倫理課題に向き合っています。
私は、2017年の医学界新聞「座談会 組織の倫理課題に向き合う看護管理者へ」を読みながら、今こそ、日本中の看護師さんたちに、「意思決定プロセスモデル」を使用していけば、自分を認めていってほしいと思いました。
偉そうにいいましたが、私はモデルを使用したことがないので、取り組んでみたいと思いました。
コメントありがとうございます。
モデルを使われて、わからないことがあれば、遠慮なくお尋ねくださいませ。