「鬼手仏心」とは、
外科医は手術のとき、残酷なほどに大胆にメスを入れるが、
それはなんとしても患者を救いたいという純粋な心からである。
(三省堂大辞林)
日本医療機能評価機構のサーベイヤー達の自主的な会、サーベイヤーフォーラム@上尾総合中央病院。今年はこれがテーマでした。
話題提供をされた小林利彦先生の言葉を借りると、
このテーマの趣旨は、
凜とした態度で指摘した方が良い場面で、
優しさが先行し厳しさを忘れている審査、それでいいのだろうか?
ということです。
私は、自身がサーベイヤーでもありますが、
今日は、このフォーラムの検討メンバーとして企画・運営の役を担いました。
受審病院に対して、
●「倫理的課題にどのように対応しているか」をどう質問するか
●看護師が全例でインフォームドコンセントに同席しているという受審病院の回答をどう考えるか
などの討議と共に、
●審査の事前準備はどのように行っているか
●良いリーダーとはどういうリーダーか
といったことが、討議されました。
いくつかのグループワークを見て回りましたが、
どこも、大変積極的な議論が展開されていました。
まだ一度もサーベイに行ったことがないという人もいれば、
100回以上行っている人もいます。
そういうサーベイヤーたちが、何を大事にサーベイを行っているのか、
本来のサーベイの目的は何なのかを真剣に語りあっていました。
理事長の河北博文先生がおっしゃっていた言葉が印象的でした。
この事業を始めたとき、郡司篤晃先生や岩崎栄先生たちと話ていた
のは、国民の幸せを考えた社会的movementにしなければならない
ということでした。
日本医療機能評価機構が誕生したことで、
病院の質は何なのかという議論が進み、質向上、質保証は当たり前のことになってきました。
ですが、国民を巻き込んだ社会的movementにするには、もう一歩だと思います。
今日参加したサーベイヤーたちは、本当に病院をよくしていきたいという思いが強く、誠実で前向きな方々でした。
こういう方々がもっともっと増えることで、movementはもっとダイナミックに起きるようにも思います。
自身のサーベイヤーとしてのあり方、評価項目の解釈、日本医療機能評価機構の今後の役割など、たくさん考えることのある一日でした。
河北先生、郡司先生、岩崎先生、のお名前を拝見して、ちょっと、昔の事を思い出して感傷にひたっています。そのころ、私は薬剤部から事務方に異動して、質研の審査を受けるための準備をしていました。その後、郡司先生に院内学会の講演の演者のお願いに先生の研究室をお訪ねする事になりました。はじめて、赤門をくぐりました。懐かしい思い出です。
そのような講演会があったのですね。
歴史ですね。