Maggie’sで出会ったファンドレイザー

投稿者: | 2017年7月28日

710日~13日の四日間、マギーズ東京の関係者の方々と一緒に、スコットランド地方にある4カ所のMaggie’s Centre訪れました。私以外のメンバーは、みな既にマギーズの運営に携わっている人たちです。私に声をかけてくださったのは、おそらく管理的な視点で、マギーズの運営を見てほしいということだと解釈しました。

 とはいえ、施設を訪れるときの管理の切り口はたくさんあります。

  リーダーシップ

  コミットメント

  チーム・ビルディング

  ミッション・マネジメント

  組織文化の醸成

  働く人たちのキャリア発達

  非営利組織の組織戦略

  マーケティング   などなど

 今回の渡英では、マギーズ東京の共同代表者である鈴木美穂さんが、ファンドレイジングについて学ぶという明確な目的を持っていらしたので、私もその切り口から上記の事柄に近寄り、考えたことがいろいろあります。(そもそも、マギーズというのが何なのかということについては、是非、マギーズ東京のボームページをご覧ください。)

日本でも、ようやくファンドレイジング(活動資金調達)が話題になってきました。しかしながら、私も実のところ、その考え方は知っていても、ファンドレイザー(資金調達者)にお会いしたことがなく、実際のところはよくわかっていませんでした。

Maggie’sでは、がんの患者、家族、友人などの誰でもが無料で相談に乗ってもらえたり、話を聞いてもらえたりします。Maggie’sでは、がんになった経験や、その経験を通してこれからの生活を考えることを、それぞれの人が無理なく人生の中に位置づけることのお手伝いをしているのです。その経験を家族や友人も自分の人生につなげていくことを見守ってくれるのです。

この「無料」の運営には、大きく2つのグループがリーダーシップをとっています。その1つが、がん患者さんの実際的な支えになる看護師や臨床心理士などのスペシャリストのグループ。もう一つがファンドレイザーたちからなる資金調達のグループです。

私の最初のイメージは、臨床グループがフロントラインにいて、ファンドレイザーグループは縁の下の力持ちとして頑張っているというものでした。でも、どのMaggie’sに行っても、両者は完全な相補関係にあり、それぞれをその道のプロフェッショナルとして相互尊重していました。
車の両輪というよりは、がっちり歯車がかみ合った強力な協力関係です。
(活動はフレキシブルですが)

Maggies’s Centreの施設長は臨床グループのスペシャリストが担っていますが、その人物がいわゆるヒエラルキーのトップにいて全体を引っ張るという構造ではありません。両グループは常に問題を共有し、それぞれの立場で意見を述べ、常に理解し合いながらどんどん前に進んでいるのです。

ファンドレイザーは、後方の事務所に鎮座しているのではなく、相談に来られた人たちがくつろぐスペースに普通に存在しています。それは、ファンドレイジングの種を探すためでもあります。

外見からはどちらが看護師でどちらがファンドレイザーなのかが、相談に訪れた人からはわからないこともあるので、ファンドレイザーが最初に話を聞くこともあるようです。そのときには、「自分はファンドレイザーであって、臨床家ではないです。それでもよろしければ、お話を聞かせてください」と言うそうです。

英国でも、1990年頃までは、ファンドレイザーというのは一般的ではなかったとのことですが、今や社会の中で不可欠なプロフェッショナルとして位置づけられているとうかがいました。ファンドレイザーとして博物館での仕事をしていた人で、Maggie’sに引き抜かれたという人もいました。彼女に、引き抜きに応じた理由を聞くと、「前職では事務所に座ったまま。今の方が、人との関わりが多くて、実際に自分が役に立っているという実感がある」と話されていました。 

ちょっと、一回では書き切れませんね。今日はここまで。
また後日、マギーズ・レポートをしたいと思います。

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