糖尿病の教育入院。随分前から行われています。
糖尿病の正しい知識を身につけ、日常生活における行動変容を促すことが目的です。
それでも、なぜ外来通院ではなく、わざわざ入院して教育を受けるのか・・・
糖尿病認定看護師(@京都岡本記念病院)によると、
「入院して病院に徹するということが、大事なんだと思います。外来だと、診察室を出たとたん、生活者に戻ってしまう。生活の中に埋もれている糖尿病だから、その生活といったん切り離す。そして、医療者と一緒にその生活をみること、それが入院だと思います。同じ内容の指導をしても、外来で伝えたことと入院で伝えたことの記憶の残り方が違うということは、患者さんを通して何度も経験してきました。」とのことでした。
なるほど、知識、態度、行動の順番で人は変わっていきますが(その逆もあり)、それほどスムーズには行かないのが生活習慣に伴う病気の難しさ。
「病人に徹する」という言葉、とても刺激になりました。
以前に、家庭医の研修会に来ていたワシントン大学の家庭医は、こうした教育入院の活動例を聞いて、「アメリカならどっかのホテルを借りて行うでしょう」とびっくりして言っていました。
それだけ経済的価値の高いことを、わずかな診療報酬で行なっているのですね。日本国。
結局はその疾患を抱えて生活するから「病人」とは架空の人物かもしれないと考えました。
なるほど。
たしかに、「病人」というのは、あるカテゴリーにつけられた名称であって、名前をつけられた側にはリアリティがない言い回しかもしれませんね。