長野県小諸市にあるグループホーム「せせらぎ」の見学に行きました!
ホーム長の堀内園子さんは、聖路加看護大学時代の同級生。老年看護の専門看護師でもあり、ケアマネジャーでもあり、看護学の博士号も持つ才女です。
堀内さんのお母さん(看護師)の静子さんが、小諸市で初めてつくったグループホームを引き継ぐ形で、園子さんがご家族と共にホームを運営しています。
私は、同級生の中でも、いち早く地域に出て活躍している彼女の活躍ぶりを一度みてみたいと、ずっと前から訪問を希望していました。
やっと願いがかなった感じです。
行ってみて、本当によかった。
私は大切なことを学びました。
それは、
夕飯を終え、園子さんとの語り合いの場でのことです。
私は、彼女に、
「この先、どんなことを叶えていきたい?」って聞いたら、彼女はこう答えました。
personhoodが当たり前に大事にされる社会!
personhood(パーソンフッド)は、「その人らしさ」と訳されているようですが、園子さんによると、それだけではないと言います。
たしか、「”あなたは、あなたのままで存在していることに価値がある”」という尊厳が守られ、その人自身もそれを幸せに感じていることだという説明でした。
さらに、
「personhoodでいっぱいの社会になったら、どうなると思う?」
たずねると、園子さんは、
希望が持てる社会なる!
と力強く答えてくれました。
翌朝のことです。
私は、静子さんと二人で2時間近くお茶をしていました。
いろいろお話を聞いている中で、多少野暮な質問かもしれませんが、
こんな質問をしてみたくなりました。
ヘルスケアワーカーのキャリア応援団としては聞きたいことでした。
「初めて認知症の方に接するという職員が、ああ、いい仕事だなあ、ここで働いていたいなあと心から思えるのはどういう時でしょうか?」
静子さんは、こう話してくれました。
それはね、受容空間があるということだと思いますよ。
利用者さんがスタッフに受容されているというだけではなく、
スタッフも、利用者さんに受容されていると思えるときがあるん
です。そのときに、何か変化が起きるのだと思います。
今日、ホームの見学に行ったら、その意味がわかると思いますよ。
畑の中にある居心地のよいグループホーム。
私は、そこで、利用者さんと一緒に洗濯物をたたんだり、ご飯を食べたりしました。足浴もしました。
一人一人の利用者さんのこれまでの人生を受け止め、これからの人生を支えるという、当たり前かもしれないけれども簡単ではないことが、その日常にはあふれていました。
たくさんの笑顔が、そこにはありました。
認知症であっても尊厳が保たれ、その人としてケアされていること。そして、そのようにケアすることが職員の幸せでもあり、またそれが利用者さんの笑顔につながっていること。
その当たり前のことが、やっぱり大切だと教わったのです。
認知症の初期の方の中には、症状が進んだ他の利用者さんがケアされているのをみて、
「私がああなったら、あの人と同じように食べさせてもらえますか?」と聞かれる人がいるそうです。
自分の症状の進行に不安を覚えながらも、そのように希望がもてること、それがpersonhoodの力なのだと、ほんの少しですが、その場に身をおいてみて感じました。
堀内家皆さん総出での手作り料理をいただきました
いやー、素敵なホーム。
学のある人が現場に身を置いてらっしゃることにも感動。
希望が持てるレポートでした。さて、私はどうしよう!
パーソンフッド、高齢者ばかりでなく息子のようにうつ?適応障害?に苦しんでいる人にも、障害のある人にも勿論私にも言えるなあと今朝は、重いけど良い気分です。ありがとうございました。
重美美代子様
本当にそうですね。
高齢者や認知症の方だけではなく、その人がその人としての尊厳を互いに尊重できる社会になればいいですね。
理想論だと言われても、そう思えた人が、身近なところからだったら始められるかな。
私もそうありたいと思っています。